ゾウ

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陸に棲む最大の哺乳類、ゾウ。
メスを中心にした群れを作り、高い知能と記憶力を糧に、高度な社会を築き上げる。現存するゾウは、大別するとアフリカゾウとアジアゾウに分かれるが、非常に強い絆で結ばれた群れで生活することに変わりは無い。

ゾウは、その外見を特徴づける部分に、敏感なセンサを持っている。その一つが鼻。
ゾウの嗅覚は鋭く、食べられる草か否かを臭いで嗅ぎ分ける他、ミネラル補給のために塩分を探す時も、鼻先に備わった一種の味覚センサを駆使する。

丸く太い足も、重要なセンサだ。他の草食動物の群れが移動する足音など、地面の揺れを足裏で敏感に感じ取り、素早く察知することができる。

アフリカゾウでは特に目立つ耳も、驚異的な能力を持つ。但し、目立って見えるのは耳たぶの部分であり、その大小は、聴覚との直接的な関係は無い。

ゾウは、人間では感じ取ることのできない低周波を聞き分けることができる。一説によると、四十キロ離れた場所に落ちた雷をも識別するという。
スマトラ島沖地震の際に、津波の到来を悟ったゾウがいち早く高台に逃れたことが報道されたが、こういった超能力のような行動も、地面の揺れや低周波の音を聞き分けるセンサの力を有していたから為せたのであろう。
更に、低周波の音を聞き分ける能力は、ゾウにとって欠くことのできない行動を司ることも判ってきた。それは、コミュニケーション。

メスのゾウの群れは、人間には聞き取れない低周波で鳴き交わし、常にコミュニケーションを取っていることが判明している。
特に、群れから離れると不安になるのか、盛んに鳴き交わし、興奮した仲間をなだめるように鼻を絡み合わせる行動を頻繁に繰り返す。人間にはその声は聞き取れないが、ゾウは互いを確かめ合い、不安を取り除き合うことで群れの安定を計っているのだ。

アフリカゾウのメスは側頭腺が発達し、個体差は著しいが、興奮したり不安を感じると、この部分からにじみ出すように液体が流れることがある。
僅かな時間、僅かな距離であっても、群れから離れたゾウの中には、こめかみを濡らしているものも見られる。
そういったゾウには群れのリーダーが駆け寄り、鼻を絡ませて不安を取り除き、絆を深める。

ゾウは、広い草原で生き抜く力を、その巨体を利した攻撃力ではなく、密接なコミュニケーションにより育まれた群れの絆により勝ち取った。
その絆を深めるのは、人間には感じ取ることのできない低周波センサの力なのである。

人間には、これほどまでに自然を計るセンサは無い。
しかし人類には、分析力という種を超えた力がある。
その分析力で自然を計り、多様で美しい地球の姿を守ること、それが人類に与えられた使命といえるだろう。

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